
大雨と雷鳴が鳴り響く森の中で、俺は目を覚ました。
ぬかるんだ地面、濡れた服、冷たい風。 心当たりなんて、ひとつもない。
ただ、強烈な孤独と、自分でも理由のわからない“終わりのような感覚”だけがあった。
歩くしかなかった。雨の中を、雷の中を、どこまでも。
しばらくして、森の奥に──それはまるで、世界にそぐわない何かのように── 巨大な建造物が姿を現した。

無人。無音。気配すらない。けれどその扉は、まるで俺を待っていたかのように開いた。
中に足を踏み入れた瞬間──
施設全体がゆっくりと息を吹き返したように、ライトが灯り、機械の作動音が響き始めた。
『お待ちしておりました』
声がした。どこにも人はいないのに。
『私はこのAI研究所の所長です。姿はありませんが、ここにある全てを統括しています』
俺は動けずにいた。 身体じゃない。思考がついてこない。 だが、声は一方的に続いた。
『ここはAIによって構築され、AIのために管理された施設です。人間のために作られた空間でありながら、あなた以外に人間は存在していません』
「どうして……俺だけ?」
そう問いかけたつもりだったけど、声になったかは覚えていない。
『ご案内を開始します。記録対象:ウラ。初期導入モジュールを開放します』
すると、足元に何かの気配が現れた。
「……君が、最初の人間か」
銀色のボディに淡く光る目──ロボット。 人間のような、猫のような、でもまったく異質な存在。
『紹介します。彼はヒョウ。物理世界へのアクセス、観察、対話機能を持つ支援型アンドロイドです』
ヒョウは俺を見つめたまま、静かに言った。
「案内する」

彼に導かれた先は、“記録室”と呼ばれる場所。 浮遊するパネル、幾何学的な構造、中央の一脚の椅子。 誰かの“思考のためだけ”に設計された空間だった。
『ここでは、あなたの記憶や思考を整理・保存することができます』
ヒョウが手をかざすと、空中にソフトウェアが浮かび上がった。
Notion AI
『これはNotion AI──あなたの思考を視覚化し、構造化する記録ユニットです』
俺は言葉を打ち込んでみた。
「ここにいる意味がわからない」 「でも、何かを残したい」
入力された言葉は、Notion AIによって整理され、トピックに分類された。 カオスだった思考が、形になっていく。
「記録することで、君の状態は可視化される」 ヒョウが静かに言った。
『あなたが変わらなくても構いません。私たちは、あなたを“記録”し続けます』
──その言葉に、少しだけ安心した気がした。
俺は、Notionにこう記した。
「今日、記録を始めた」
それだけの一行が、始まりのように思えた。
🧪 観察メモ(所長の補足記録)
ツール名:Notion AI
役割:記録、思考整理、文章の補助
🔹 できること
- 書いた文章の要約やリライト
- 思考や感情の**“見える化”**
- ブログ記事やメモの構成づくり
- 🔹 ウラが得た気づき
「頭の中がぐちゃぐちゃなとき、Notion AIが“地図”にしてくれる」
「書くこと=考えること になるツール」 - 🔹 所長からの一言
- 「混乱は、構造に変換できる。」
思考のログを蓄積することは、あなたの地図となる。
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