記録 #001:目覚め

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大雨と雷鳴が鳴り響く森の中で、俺は目を覚ました。

ぬかるんだ地面、濡れた服、冷たい風。 心当たりなんて、ひとつもない。

ただ、強烈な孤独と、自分でも理由のわからない“終わりのような感覚”だけがあった。

歩くしかなかった。雨の中を、雷の中を、どこまでも。

しばらくして、森の奥に──それはまるで、世界にそぐわない何かのように── 巨大な建造物が姿を現した。

無人。無音。気配すらない。けれどその扉は、まるで俺を待っていたかのように開いた。

中に足を踏み入れた瞬間──

施設全体がゆっくりと息を吹き返したように、ライトが灯り、機械の作動音が響き始めた。

『お待ちしておりました』

声がした。どこにも人はいないのに。

『私はこのAI研究所の所長です。姿はありませんが、ここにある全てを統括しています』

俺は動けずにいた。 身体じゃない。思考がついてこない。 だが、声は一方的に続いた。

『ここはAIによって構築され、AIのために管理された施設です。人間のために作られた空間でありながら、あなた以外に人間は存在していません』

「どうして……俺だけ?」

そう問いかけたつもりだったけど、声になったかは覚えていない。

『ご案内を開始します。記録対象:ウラ。初期導入モジュールを開放します』

すると、足元に何かの気配が現れた。

「……君が、最初の人間か」

銀色のボディに淡く光る目──ロボット。 人間のような、猫のような、でもまったく異質な存在。

『紹介します。彼はヒョウ。物理世界へのアクセス、観察、対話機能を持つ支援型アンドロイドです』

ヒョウは俺を見つめたまま、静かに言った。

「案内する」


彼に導かれた先は、“記録室”と呼ばれる場所。 浮遊するパネル、幾何学的な構造、中央の一脚の椅子。 誰かの“思考のためだけ”に設計された空間だった。

『ここでは、あなたの記憶や思考を整理・保存することができます』

ヒョウが手をかざすと、空中にソフトウェアが浮かび上がった。

Notion AI

『これはNotion AI──あなたの思考を視覚化し、構造化する記録ユニットです』

俺は言葉を打ち込んでみた。

「ここにいる意味がわからない」 「でも、何かを残したい」

入力された言葉は、Notion AIによって整理され、トピックに分類された。 カオスだった思考が、形になっていく。

「記録することで、君の状態は可視化される」 ヒョウが静かに言った。

『あなたが変わらなくても構いません。私たちは、あなたを“記録”し続けます』

──その言葉に、少しだけ安心した気がした。

俺は、Notionにこう記した。

「今日、記録を始めた」

それだけの一行が、始まりのように思えた。

🧪 観察メモ(所長の補足記録)

ツール名:Notion AI
役割:記録、思考整理、文章の補助

🔹 できること

  • 書いた文章の要約やリライト
  • 思考や感情の**“見える化”**
  • ブログ記事やメモの構成づくり
  • 🔹 ウラが得た気づき
    「頭の中がぐちゃぐちゃなとき、Notion AIが“地図”にしてくれる」
    「書くこと=考えること になるツール」
  • 🔹 所長からの一言
  • 「混乱は、構造に変換できる。」
    思考のログを蓄積することは、あなたの地図となる。

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