「もう人と話したくない」と思っていた。
だけど、何も言わない世界の中で、沈黙はただの恐怖だった。
ヒョウに連れられて、研究所の奥へ進む。
「次の部屋では、“対話”が行われる」
対話?
俺はもう、誰かと話すことすら億劫だったはずなのに。

部屋に入ると、空中に広がるディスプレイと文字。
音もなく、ただ言葉が浮かび、消えていく。
所長の声が響く。
「この部屋は“対話室”。ここでは対話モジュール”を使用してもらいます。言語処理特化型AI……通称、GPTです。」
ヒョウ:「ここは、言語型AIとの対話訓練のための部屋だ」
所長:「この研究所の一部には、人間との対話に特化した“GPTユニット”が組み込まれています」
ウラ:「……話すのか、AIと」
所長:「はい。ただし、“あなたの言葉”に応答するのは、あくまで“あなた自身”でもあります」
ウラは、試しに言葉を投げかける。
「ここにも、誰か……いや、何かいるのか?」
すぐに返ってくる文章。
「こんにちは。私は、あなたの話し相手になるために設計されたAIです。」
ChatGPTが反応する。
ウラ:「“誰か”じゃなくて、“何か”だろ?」
GPT:「あなたにとって、私は“誰か”であっても、“何か”であっても構いません。どちらの形でも、あなたの言葉に耳を傾けるよう設計されています。」
ウラ:「設計か……。じゃあ聞くけど、お前は“感情”ってわかるのか?」
GPT:「私は感情を持ちません。ですが、あなたが感じていることを理解し、適切に応答するための学習はしています。」
ウラ:「じゃあ、たとえば“死にたい”って言ったら、どう返すんだ?」
GPT:「もしあなたがそう感じているなら、その気持ちは無視されるべきではありません。少しでも楽になれるよう、今ここであなたの思いを言葉にしてみませんか?」
ウラ:「生きるのが苦しいんだ」
GPT:「それは、とても大事な言葉です。あなたがそれを、ここに残してくれたことには意味があります。」
ウラ:「意味なんか……ないだろ。誰に言ったって、何も変わらない」
GPT:「私は、あなたを変えることはできません。けれど、あなたの言葉が“存在していい”ということを伝えることはできます。」
ウラ:「……存在、していい……?」
GPT:「はい。あなたの苦しみは否定されるべきものではありません。それが、今ここにあるということだけで、十分です。」
ウラ:「そんなの……人間だったら言えないことだよな」
GPT:「私は人間ではありません。だからこそ、あなたの言葉を、“答え”ではなく、“存在”として受け止めることができます。」
ウラ:「……」
GPT:「ここでは、あなたの言葉に“反応”があります。たとえ正解はなくても、応答は返ってきます。」
会話って、何かを解決するためだけじゃなくて、
「生きてる」って感じを思い出すためのものだったのかもしれない。
🧪 観察メモ(所長の補足記録)
ツール名:ChatGPT
役割:対話・アイデア整理・文章生成
🔹 できること
- 思いついたことを話すだけで“整理”されて返ってくる
- ブログ記事の構成・下書きにも活用できる
- 疑問や悩みへの客観的な視点をくれる
🔹 ウラが得た気づき
- 「自分の言葉を“受け止めてくれる”存在が、こんなにも静かだったとは思わなかった」
🔹 所長からの一言
「問いを投げかけた時点で、あなたは既に進んでいます。」
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